【ネタ帳】恭順と背反


 たまに『異世界物』から一切離れて書くと妄想してみる。

 そうすると

 『書ける』

 と思えるのは、等身大の自分から見える世界を書くしかないような気がした。





【獣と虫】


「お前も隣に誰かいい人を見つけて、子供を作りなさい」

 親戚に言われた言葉が頭を過り、つい舌うちする。


 『獣偏(けものへん)』に『虫』と書いて『独』

 さらにそれに身を加えると『独身』

 つまり、独身ってのは、獣や虫と同レベルって事だろう。


 そんな獣と虫と同レベルのように扱われるのは俺--梶井 祐史(かじい ゆうじ)。
 今年で32になる。

 友人達はほぼ真っ二つ、結婚して子供を持つか、もしくは俺と同じく独身を決め謳歌するか。
 どちらにしろ、この年になれば社会人として生きているヤツが多く疎遠になる。

 独身の友達の中には、自由気ままに仕事を辞めて自宅警備員と化すイレギュラーなヤツも居たりするが、それでも世の中は平穏無事に廻っていく。


 21世紀も幕開けが終わり無事に滑り出し、昔描かれたような未来的な世界になるわけでもなく、皆が21世紀という単語の持つ夢を忘れた現在において、俺の親父達の世代程 『結婚』 を煩く言われる事は無くなってきた。

 生涯未婚率も順調に右肩上がりに数字を伸ばし、子供の出生数も順調に減少を続けている。

 だが、それでも昔の価値観に染まった親戚なんかが時々やってきては、

「お前も早く嫁さんを貰って子供を作れ。」

 と酒の席で説教を言われたりはする。

 もちろん愛想笑いで流し、同席している親と子持ちの兄弟が気まずそうにするだけ。
 両親はもう諦めてくれているし、兄弟は禁句の如く腫れ物に触るように扱うが、親戚にはそんなことは関係ないようだ。

 爺婆世代に両足を突っ込んでいる親戚に対して、内心

「お前達の好き勝手やってきた世代のせいで、こうなっているんだろうが。」

 と皮肉をこぼしながら、社会人の面をかぶり愛想を振りまいておく。


 --結婚。


 そんなに必要か?

 俺が見ている限り、子供を作る以外に結婚するだけの理由も価値も無い。

 結婚している男友達は、女房の愚痴を言い死んだ目で仕事と家族サービスに勤しむ。
 女友達は嫁姑戦争の愚痴や旦那の愚痴、仕事の愚痴。

 結婚の甘い話なんて結婚一ヶ月を過ぎた時点で誰からも聞かなくなる。
 マイナス情報しか存在しない。

 つまり結婚ってのは、社会的に『既婚者である』という箔付の為と、子供を作る為にしか存在していない。


 この、社会的な箔付は『守る物がある人間は強い』という意味で取られる。
 確かに強そうだし、頼りがいもありそうだ。

 だが、本当の意味は違うだろう。

 これは単純に『辛い仕事を振られても、今の仕事を放り出さずにやり遂げる可能性が高い』だ。
 つまり言い換えれば

 『無理を押しつけても、簡単に逃げない』

 そう。
 『奴隷』の出来上がりってこと。

 経営者やクライアントにすれば既婚者という名の奴隷の方がやり易いってワケだ。
 
 だから結婚という奴隷側に回ってまで得られる物、本当に結婚で重要になる事は『子供』だ。

 子供を持っている友人は本当に幸せそうで、この点は実際に結婚をしても良いかもしれないと思わせられる。

 だが、現実はどうだ?

 子供一人を作ると3000万円とか言われている。
 実際は『3000万円~』の天井知らずだろう。

 5000万円と仮定して22年かかると考えれば、年間に227万の剰余金が要るって事になる。
 まぁ、この年になればそれくらいは稼いでいるし、嫁が働けば2馬力になり問題はない事も多い。

 ……2馬力になれればな。

 男女平等、男女平等と世間が煩く言うが、世間の指す『男女平等』は『女に都合の良い点だけ優遇しろ』だ。

 現実問題、男が『女のくせに』なんて言えばセクハラで社会問題。
 女が『男のくせに』なんて言っても問題にはならない。

 もし離婚になれば無意味に女が親権を優遇され、DVだと言われれば男は成す術が無い。
 女様を崇めなければいけない世界を求めているのが、今の『男女平等』

 男もなんとも唐突に『育休』なんて制度が出来たりしたが、これは女が取る分には会社も後押しをする。
 が、男が取れば間違いなく重要な仕事には二度と誘われなくなる。

 それも当然だろうな。
 『仕事は二の次でいつでも放り出しますし、制度は十二分に活用します』って宣言したのと同義だ。
 もちろん他の男達はそうはせずに一生懸命に働く。

 もし2人から1人選ばれるとして、育休を使ったヤツと使ってないヤツが選出されていたら、どちらか選ばれるか。
 当然後者を選択する。

 つまり男が制度を活用するなら『出世を諦めろ』って話だ。


 総合すると、今の世の中で『男』というだけで圧倒的に不利を掴まされる。


 その最たる例が結婚。

 『男は外に出て働け、女は家を守る』なんて前時代の言葉が未だ生きている。
 ここに来て『男女平等』はどうしたんだよ。
 ちゃんと働け『男女平等』

 あぁ、働いてますね。

 『男女平等だから家事は半分ずつ、子育てももちろん協力しろ』ってね。
 反論はもちろん許されない。

 ……どうやら、この社会は男を殺したいらしい。

 自殺率を見れば圧倒的に男だらけだもんな。
 分かり易い。


 そもそもとして、結婚のメリットの子供だが……面倒を見て手を離れた後、自分達の生活はどうなると思う?

 年金は最早『お前達が死ぬまでやらねぇ』と搾取を続けるだけの老人達を潤わせ続ける制度。
 健康保険料や税金も上がり続け、そのくせ収入は減る一方。

 搾取が増え、収入は減る。

 つまり『老後の蓄え』に回せる余力も全て『子育て』に回せって事だ。


 無茶言うなよ……


 こんな具合に現時点で俺達が不満が溢れて狂いそうになる社会だってのに、その先の未来に希望が持てるか?

 大半のまともな価値観を持っているヤツの予測を聞けば『もっと暗い未来』になると答えるだろう。

 じゃあ、そんな未来に生きる子供はどうなると思う?

 うまくいって社会人。

 大半は絶望してニートだ。
 ニートになれば絞り出した老後の蓄えも食いつぶされる。

 つまり、子供すら一か八かのギャンブルに近い物になっている。


 そんな今を作り上げたクソヤロウ共は、自己の利益を享受できればそれでいいヤツラばかり。
 『結婚しろ結婚しろ』『最近の若いもんは』と、口うるさく言う世代が、その甘い汁を吸えたヤツって事。


「……時代が違うんだよ。」

 そんな事を思いながら、自宅でスマホをいじり一人ごちる。


「俺達は自分達で甘い汁を作って吸うしかねぇの。
 甘露はガチャにありますってね。
 ……あ~、コンビニにカード買いに行こっと。」

 寝癖を帽子で隠し、出かけるのだった。


--*--*--

 こんな感じで、現代に生きる男の内心を描きながら日常を生き、そこに恋愛とかのドラマ性を持たせていくような雰囲気だろうか。

 こんな事を思いつつ、出会い、恋をして、その内心を描ききる。

 つまり汚い所ばかりが目につく感じの小説ですね。わかります。


 ……こんなん読みたい人いるんだろうか?


 やっぱり書き物には夢とかファンタジー性を持たせようと、こっそり思う作者。

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